こんにちは。
浄光寺を参拝した後は600㍍ほど北に進んだ先にある葛飾北斎の「八方睨み鳳凰図」で有名な『岩松院(がんしょういん)』を参拝しました。
《目次》
岩松院とは
小布施の街のはずれ、中世の山城・雁田城(かりだじょう)の麓にある寺院です。
寺伝によると、永享2年(1430年)浄土教の千僧林念仏寺として創建され、文明4年(1472年)に雁田城主の荻野備後守常倫公の開基で、開山は不琢玄珪禅師。
1619年(元和5年)、広島城無断改築を理由に信濃国高井野藩に改易された福島正則の菩提寺で境内には霊廟があります。
![]() |
知っておきたい日本の札所めぐり歩き方・楽しみ方徹底ガイドブック 全国各地の巡礼コースを、縁起から特徴までご紹介 (「わかる!」本) [ 八木透 ] 価格:1,760円 |
まず山門を見る前に、寺号標を探してウロウロ。結局、見つけられなかったのですが、山門前には三界満霊塔や供養塔、歌碑などがありました。
歴史哲学者・由良哲次博士の歌碑 です。
入り口の左には胃腸に良い湧き水「弁天池」がありました。
「栗拾ひねんねんころり云ながら」と詠んでいます。
気を取り直して山門へと向かいます。
見どころ①山門(仁王門)
総檜造りで出来ていて、扁額(へんがく)には〝金剛窟〟と書かれています。
二体の仁王像は今までに見たことのないくらいなんとも愉快な表情をしているので一度凝視してみてください。
そして山門を抜けて石階段を昇ったところに本堂などがあります。
まずは、本堂の前にある立派な大香炉。
では、メインとなる天井画がを見に行きましょう。本堂へは拝観料500円が掛かります。脱帽、禁煙、撮影不可ですので、ボサボサ頭で入場します。
見どころ②八方睨み大鳳凰図
本堂内大間には、江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎が最晩年(1848年)に描いたといわれる大きさ21畳分にもなる孔雀石、鶏冠石など高価な鉱石をふんだんに使った絵の具で描かれた大鳳凰図があります。北斎が88歳から89歳にかけての作品といわれ、どこから見てもこちらを見据えているように見えることから、〝八方睨みの鳳凰〟ともいわれています。〝隠し絵〟として、富士が描かれているそうなので探してみてください。
本堂の周りには他にも色々と見応えがあります。
一通り本堂内を見学したら、次は本堂の裏手に回ります。そこには有名な戦国武将のお墓や俳人が訪れた庭があります。
見どころ③福島正則霊廟
本堂裏手の細い石段を登ると門が見えてきます。それをくぐると墓地が広がり、その真ん中に福島正則の霊廟があります。一人だけ別格の扱いです。さすが大大名です。
福島正則は、元亀天正年間の戦国武将で豊臣秀吉の重臣として賤ケ岳の戦いでは「七本槍の第一」と称されました。また関ケ原の合戦でも勇名をはせ、広島城(49万8千石)の大大名になりましたが、幕府の謀略により元和5年(1619)秋、この信越地方(4万5千石)に国替えさせられました。
国替え・移封のため、当地にも菩提寺を求めました。正則は禅の信者であり、観音信仰が篤い方で、その縁から当院を復興し「海福寺」の寺号を附加して中興開基となられました。
霊廟には遺骨を埋葬し、「海福寺殿前三品相公月翁正印大居士」の戒名を刻んでいます。遺品の一部が本堂内に展示されています。
霊廟には、遺骨が埋葬され、左遷状や太閤葬儀行列張などが納められています。
小布施町指定史跡。
そして裏庭にも足を運んでみます。そこはあの有名な小林一茶が俳句を詠んだ場所です。
見どころ④小林一茶と蛙合戦の池
「やせ蛙 負けるな一茶 是にあり」
文化13年(1816年)、俳人・小林一茶が病弱な初児・千太郎への命乞いの気持ちを込めて詠んだ句で、その場所がここ〝蛙合戦の池〟です。
ただ、その気持ちも虚しく息子は1ヵ月でこの世を去ってしまったそうです。
池の中にはちょうど河骨(こうほね)が咲いていました。葉っぱだけ見ると蓮かと思っていたので新たな発見でした。
帰りは登山道を下りてみると、葛飾北斎を小布施に招いた豪商・高井鴻山(たかいこうざん)の石碑がありました。
小布施の豪農商の家に生まれ、京都で学問や芸術を学んでから江戸へ出て、幅広い人脈を築いていた高井鴻山。その江戸で葛飾北斎と出会ったそうです。
フォトライブラリー
今回の旅の目的であるアジサイの写真です。
コチラのあじさいが咲くお寺もいかがですか。
御朱印
本堂に拝観料500円を支払って受付にて記帳してもらえます。
御朱印記帳料 300円
![]() |
価格:2,530円 |
アクセス
基本情報
【住所】 〒381-0211 長野県上高井郡小布施町雁田615
【電話番号】 026-247-5504
【拝観時間】 9:00 ~ 17:00(冬季注意)
【拝観料】 本堂500円
【駐車場】 普通車15台
【公式サイト】【公式】信州おぶせ梅洞山岩松院 | 【公式】信州おぶせ梅洞山岩松院
▼こちらのあじさい寺もご覧ください。
ご購読ありがとうございました。